ハイドレンジア箱根は、神奈川県箱根町の宮城野地区にある鉄筋コンクリート造の賃貸マンションである。2019年に現オーナーに変わりリノベーションを開始。2023年4月より本格的に賃貸開始。
「ハイドレンジア箱根」という名前は現在のオーナーがつけた名だ。6月には箱根のあじさい（ハイドレンジア）が美しくなる。そのイメージを建物に名付けたものだ。
箱根といえば、言わずとしれた有名観光地。町全体が観光のために動いていると言っても過言ではない。ただし、観光名所の多い箱根の中でも宮城野地区は「観光イメージ」の少ない場所だ。しかしだからこそ、都会の喧騒からから離れて住むにはいいのではないだろうか。そんな思いで、現オーナーはこの賃貸物件を運営しようとしている。
建物はもともとは企業の保養所として建てられた。避暑地や研修場所としての箱根を捉えている会社は多い。それゆえ、箱根の中を歩いてもそこかしこに企業の名がつく建物がある。実は、ハイドレンジア箱根のもともとの用途もその一つだった。鉄筋コンクリート造でちゃんと作られたその建物は、年月が経っても躯体がしっかりしている。そこで、建築構造をそのままに部屋の区切りや設備を置き換えて新たに生まれ変わろうとしている。それが「ハイドレンジア箱根」である。
身近なコミュニティーを実現
ハイドレンジア箱根の最大の特徴は、入居者どうしのコミュニケーションを構築できる共用リビングがあること。キッチンや映像装置などが完備されており、すべての入居者が利用できる。シェアハウスのようではあるが、それとは異なり部屋には個別のバス・トイレ、キッチンがある。したがって、一定のプライバシーを担保しつつ、適度な距離感で入居者どうしのつながりが得られるのがありがたい。
※下は、360度映像。マウスで操作すると360度で共用リビングが体験できます
1K賃貸を会員でシェア – ２拠点生活の新たな形態
通常の1K賃貸の開始から１年を経て、2024年4月。
1K賃貸の１室を会員数名で共有して滞在コストを抑える新しい会員制サービスを開始。
その名も「シェアリング・ビレッジ306」。寝具やキッチン用品などが完備されており、箱根に数日滞在するにも割安で便利なサービスである。正式な会員になる前にトライアルで滞在することもできる。
2024年4月9日現在まだ会員は募集中。ご興味があれば、是非一度詳細をご確認いただきたい↓
オーナーは女流建築士
オーナーは建築士と賃貸物件のオーナーという２つの顔を持つ。これまでにも自分の所有する都心近郊の賃貸アパートをリノベーションしてデザイナー物件として運営している。所有物件は、もともとは築年数を重ねた古い間取りの物件たちだ。それらを改修し、ミニマムやナチュラル、サステイナブルといった令和のモダンな生活様式に合わせてデザインされ、生まれ変わらせた。言うなれば、賃貸物件の魔術師だ。「デザインスタジオ ビジュ」という名でこの事業をやっている。
例えば、間取りは不要な仕切りを取り除いてスッキリさせる。床は、無垢のフローリングで住心地を改善する。そんな工夫が随所になされている。
そして、ハイドレンジア箱根もそんなオーナー所有の物件のひとつ。リノベーションにより、現代の住みやすい形のデザイナー物件を、この箱根で実現しようとしているというわけだ。
二拠点生活なら箱根は理想郷
新型コロナウイルスによるパンデミックの影響により生活様式が大きく変わった。リモートワークやそれに伴って流行しているのは二拠点生活、ワーケーションなど。そのような住環境のデマンドは数年前には一般的とは考えられなかったものだ。
そこで目をつけたのが、箱根という立地だ。
箱根には観光地としての魅力がある。名所、旧跡や観光客向けの見どころが町の至るところにある。また、山中であり、芦ノ湖という湖もあり観光地でありながら自然も満喫できる。加えて、都心からのアクセスも良い。新宿から小田急線１本で箱根湯本だ。特急ロマンスカーに乗れば1時間半ほどで着いてしまう。ならば、都心で仕事を持ちながら、箱根でリモートワークというのは。二拠点生活するもよし、ワーケーションとして箱根の魅力を満喫しながら仕事をするもよし。
そんなときに利用できる箱根の拠点とはどういうものだろうか？
ハイドレンジア箱根はそこを考えている。
部屋のサイズはそれほど広くはないが、窓からは箱根の山々を見渡せる。建物には共用のコミュニケーション・エリアが完備されている。なので、リモートワークで1Kの個室に籠もるに飽きたらここで他の住人たちと新しいコネクションも可能だ。二拠点生活を始めるとなると、生活家電などの設備の準備も大変だが、ハイドレンジア箱根には共用のランドリーエリアもある。つまり、二拠点生活の敷居を下げる工夫がされているのだ。
生活者にうれしい設備が満載
1Fには共用ランドリー室がある。こちらは外からのアクセス。
二拠点生活の入居者は、箱根に常に滞在するわけではないだろう。そんな方は必要な家電全セットを部屋に用意するのは大変。そんなとき、ランドリー室が利用できるのはありがたい。
また、箱根は時期によっては湿気が多い地域。乾燥機が完備されているので洗濯物が乾きにくい季節にも威力を発揮するだろう。
また、エントランスは、オートロック。ロックの外側の風除室に宅配ボックスが設置されている。
オートロックのシステムはイタリアのComelit社製のすぐれモノ。なんと、エントランスからの呼び出しはもれなくスマホに転送される（Comelit専用アプリを使用)。不在であってもコミュニケーションができる。セキュリティーもバッチリだし、オンラインショッピングでも不在時に受け取れるのは便利だ。
各部屋の間取り
建物は、鉄筋コンクリート3階建て。1Fに共用の共用リビングやランドリー室がある。そして、2階と3階が賃貸で各フロアにある8戸の部屋はすべて間取りが異なる。
もともとの建物は昭和の時代に建てられたものだが、現オーナーになってからフル・リノベーションしている。
アクセス
小田急線箱根湯本駅より箱根登山バス「桃源台線」にて「宮城野橋」まで15分。「宮城野橋」停留所より徒歩10分。